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株式市場の語りびと
株式市場で起きていることは、すべて原因があって結果がある。その原因を科学的に分析することを目的とする。
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15.6.7号 閑話考「金融からモノの時代へ」
今日は少しく、市場から受ける感性に基づいて、独断と偏見を交えて今後のトレンドを支えるキーワードの話をしたいと思います。

少々面倒ですが、暫しお付き合いください。

文芸春秋の新年号で水野和夫日本大学教授は「『虚構の成長戦略』資本主義は死んだ」という示唆に富む論説を寄稿しています。

水野氏のその内容をまとめたものが図1です。

販売数量

論旨は以下の通りです。

面倒かもしれませんが一読してみてください。

資本主義とは自己増殖プロセスであり「付加価値(=GDP)を増加させる」ことを指向します。

それを簡潔に表現すると「より速く、より遠くへ、そしてより合理的に」ということになり、それを実行することにより経済成長を高めることになります。

それを分り易く表したのが図1です。

横軸・X軸=販売数量を「より速く、より遠くへ」先へ先へと伸ばすことによって、「合理的に」縦軸・Y軸=粗利益率を先へ先へと伸ばすことが出来ます。

そして、X軸とY軸に囲まれた空間の面積が実質GDP、X軸-Y軸空間の膨張率が実質GDP成長率を意味します。

Y軸=粗利益率は交易条件(=輸出物価÷輸入物価)を高めることによって実現します。

20世紀末から、資本主義のグローバリゼーションによって新興国を成長させ、X軸を以前にも増して先に延ばそうとしました。

しかし、グローバリゼーションによってX軸を先に伸ばそうとすると(新興国の成長)、原油価格(=資源価格)の急上昇という副作用を伴い、原油価格(=資源価格)の急上昇は交易条件の悪化となって跳ね返り、Y軸=粗利益率の縮小をもたらすという矛盾が生じます。

Y軸=粗利益率の縮小はデフレを意味します。

X軸-Y軸空間の実体経済の膨張の行きづまりが見え始めたとき、米国で、もう一つ別の「高さの空間」の図1の「Z軸の空間(金が金を生む空間)」が、「IT革命と金融の自由化」の中で生まれ、縮小するY軸=粗利益率の更なる膨張を図ろうとしました。

マイロン・ショールズ氏とロバート・マートン氏という2人のノーベル経済学賞の学者を輩出した「ITを駆使した金融工学」が「実物投資空間(地理的・物的空間)」とは別の「電子・金融空間」というバーチャルに膨張するZ軸の空間(金が金を生む空間)を生んだのです。

Z軸の空間の膨張によるY軸=粗利益率の伸張は、都合の良いことに交易条件の良し悪しや国債利回りに影響を受けず、キャピタルゲインを表す株価で図られます(市場主義経済)。

しかし、Z軸の空間を「より速く、より遠くへ」広げようとする挑戦は、レバレッジをかけて利潤の極大化を狙うサブプライムローン・シンドロームなどを経て金融バブルを生み、2008年9月に100年に1度のリーマンショック(金融バブル崩壊)を起こしました。

「電子・金融空間」のZ軸の空間は石油・資源と切り離されたバーチャル空間であるにもかかわらず、図1の実体経済のX-Y空間(実質GDP)に破壊的な影響を及ぼしました。

この反省から世界の金融当局は超高速・高頻度取引(HFT)や投資銀行、巨大ヘッジファンドの規制に動いており、「大きすぎて潰せない」といわれる世界の巨大銀行の自己資本規制の引き上げや巨大ヘッジファンドへの資金源のパイプを締め始めています。

水野和夫日本大学教授は近代の理念「より速く、より遠くへ、そしてより合理的に」から振り子は「よりゆっくりと、より近くへ、より寛容に」というポスト近代の理念の時代に振れると結論付けています。

すなわち、図1の「X軸-Y軸空間の膨張が止まるのだから実質GDP成長率はゼロの時代を迎える。」という結論です。

-ここから当ブログの意見-

しかし、当ブログはITに詳しいわけではなくド素人ですが、マーケットから眺めた感性では、IT革命がお金の世界の金融の分野で革命を起こしたのと同様に、今度はIT革命がモノづくりの世界の工業(インダストリー)の分野に向かい始めたことを、市場が示唆していると感じるのです。

何を云いたいのかといえば、図1のX軸=販売数量を先に伸ばさなくとも、Y軸=粗利益率を高める(=X軸-Y軸空間の実質GDPを高める)革命が、金融の世界ではなくモノ作りの世界で始まっていると、感じるのです。

徘徊するマネーがレバレッジを高めて成長する金融工学の経済から離れ、工業自身のレバレッジをソフトウェアによって高める方向へ先進国は大きく舵を切ったと考えられます。

それは基本インフラをクラウドシステムとして、世の中に存在するあらゆるモノに通信機能をもたせ情報交換し、相互に制御する仕組みのIot(Internet of Things・モノのインターネット)革命に代表されます。

国の経済を支える堅牢な産業基盤は金融ではなく工業であることに、リーマンショック後の世界の人々はあらためて気付いたのではないでしょうか。

これを象徴するのが米国ではIIC(Industrial Internet Consortium  Iotの団体),ドイツでは産学共同体のIndustries4.0の組織であり、サイバー空間(ソフトが主役)とフィジカル空間(ハードが主役)を連携させて付加価値を創出する(実質GDPを成長させる)一連の改革運動と位置づけられています。

「Iotのモノづくりの時代到来」と考えてみなければ、量的金融緩和が終わり、金利引き上げが論点になりつつある米国株が意外な健闘を見せている現状の背景が、説明できないような気がします。

そうでないと、金融バブルの2007年でも約半値しか戻らなかったグラフ①のナスダック総合指数が、IT革命バブルを起こした2000年の金字塔・高値5048ポイントを今年5月に更新し新高値に躍り出た論拠が見当たりません。

総合

今度は金融の世界からモノの世界に向かったIT革命(Iot)が相場を支えることをナスダック総合指数が示唆しているのでしょう。

スマートコミュニティ、スマートグリッド、スマートアグリ、スマートプロダクト、スマートモビリティ、スマートロジステック、スマートビルディングなどがスマートファクトリーとクラウドシステムを基幹インフラとしたIotでつながり、モノの世界が活性化するというイメージです。

前述の世界が直面するX軸-Y軸空間(実質GDP)の停滞を日本は過去20年間で経験してきました。

そして過去20年間で、過剰な設備を破棄してきた日本でもようやく量的緩和が始まり、効率的社会実現に向けて、これから設備投資が始まろうとしています。

人・モノ・金の3つの過剰を解消したその日本の前に、絶妙のタイミングでモノの世界のIT革命が花開くという思わぬ僥倖の場面に遭遇しているのです。

マーケットを見ていると、25年前の1989年の日本の金字塔・日経平均38915円を奪回に向けて動き出す論拠が見えてくるような気がします。

ここから25年前の日本の金字塔・日経平均38915円を大変な思いをして更新しても、倍にしかなりません。

しかし、個別銘柄では日経平均がここから倍になる過程で、テンバーガー(株価が10倍になる株)がたくさん出現すると想定できます。

したがって、株式投資は指数売買よりも個別銘柄重視の運用時代に突入します。

前述の今後の方向性の読みに従って鑑みると、モノのインターネットのIot関連の銘柄からテンバーガーが多く排出する可能性が大きいと考えています。


こんな大局観で相場を考えてみると、株式投資の楽しみ、醍醐味が増してきます。


(注意:本稿は投資家のために投資判断を行うものではなく、一切の責任を負いません)
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