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株式市場の語りびと
株式市場で起きていることは、すべて原因があって結果がある。その原因を科学的に分析することを目的とする。
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15.9.2号 市場の懸念はお金の流動性

日経平均前日比724円安を演じた9/1午後の日本の市場は、殆ど思考停止の状態になりました。
情報サイトを見ると、午後の急落についてのコメントが午後3時まで殆ど掲載されませんでした。
僅かに、ロイターから14時31分、「BUZZ-海外投資家に緊張走る、株安阻止へ中国当局が姿勢硬化」というニュースが配信され、その内容は「中国当局が英マン・グループの中国部門会長拘束との報道に驚きの声とともに海外投資家の間で緊張が走る。しかし真偽や詳細は不明。」でした。

いまだにロイターからは続報もなく、デマだったのでしょう。

メディアは「8月の中国製造業PMIの結果や中国上海総合指数の下げが要因」との報道で終始しています。

しかし、8月の中国製造業PMIは事前の予想通りの悪い数字の発表であり、中国上海総合指数の午後3時近辺の株価はマイナス1.3%ほどに戻しており、日本株大幅安の理由には乏しいのです。

その結果、午後の下げの主因が分らず、誰もが「何がなんだか訳がわからず、思考能力が停止した状態になった」というのが本音でしょう。


市場がこのようにボラティリティが高い動きするのは問題といわざるを得ません。

こんな高いボラティリティで振れる市況が続くと、まっとうな市場参加者はやる気を失い、しいては市場マインドを冷やす事になるからです。

9/1の急落をマスコミ報道は理由がよく分らないので、全て「8月の中国製造業PMIの悪化や中国上海総合指数の下げ」など中国の所為で片付けてしまおうとしています。

しかし前述の理由で、昨日の下げは中国の所為にするには無理があります。

9/1の急落は明らかに8/24の急落とは違います。

8/24には米国金利引き上げ懸念と中国元切り下げ=景気失速懸念という明快な理由がありました。

9/1には理由が分らず「何がなんだか訳がわからず、思考能力が停止した状態になった」のです。

可能性は米国金利の上昇による世界景気後退懸念、世界の流動性減少懸念あると考えます。

米国10年国債利回りとNYダウのグラフ①を見ると、9/1の動きと8/24の時点の動きは明らかに違っています。

米金利

9/1のNYダウが大幅な下落469ドル安にもかかわらず、米国債利回りは8月と比較してあまり低下しせず米国債は買われていませんでした。

明らかに株式と国債の市場動向のパターンが変わっています。

株式が売られたお金が質への逃避で債券に廻らなくなっているのです。

その分質への逃避が日本円に向かっているのでしょう。


米国の量的緩和終了から10ヶ月が経過し、米国景気の堅調からゼロ金利解除、金融引締めの時期が差し迫ってきたことから、ドルキャリートレード(米国のゼロ金利でドルを借りて、金利の高い新興国通貨に転換して新興国の債券、株式で運用する=ドル安・新興国通貨高)の巻き戻し(アンワインド)が加速しています。

ドルキャリートレードの巻き戻し(=ドル高・新興国通貨安)は新興国からお金が流出します。

このことは以下のサイクルによって世界の流動性を減少させます。

お金の国外流出は
自国通貨安→金利上昇・景気悪化→自国のインフレ誘発→不景気の物価高(スタグフレーション)
となり政情不安定化を誘発します。

したがって新興国側の対策は
お金の国外流出防止のため自国通安阻止=自国通貨買い・ドル売→外貨準備(大半が米国債)のドルを売って自国通貨買い→ドル調達のため米国国債売り→米金利上昇
となり米景気後退、しいては世界景気後退につながります。

世界の流動性の危機・世界景気後退懸念は
先行きの原油価格安懸念→原油価格下落→資源国財政悪化・通貨安・インフレ→資源国の外貨準備取り崩し→米国債売り→米金利上昇
となり米景気後退、世界景気後退につながります。

このようにドルキャリートレードの巻き戻し(アンワインド=ドル高・新興国、資源国通貨安)を通しての世界の過剰流動性減少・世界景気後退を懸念して、さらに株式・商品市場が下落するという負のスパイラル局面に市場が落ちっていると思われます。

先の中国元切り下げもこの流れの中にあります。

この動きは「量的金融緩和(QE)=お金の流動性拡大」の真逆の「量的金融引締め(QT)=流動性縮小」への動きです。

実際、中国は急激な資金流出から自国経済と市場を守ろうと外貨を売却し、他の新興国も追随しています。

中国の外貨準備は1年前の4兆ドルから6月末に3.6兆ドル(大半は米短期国債や米国債などのドル建て資産)に減少したといわれています。

シティグループのアナリストチームでは、過去1年間の世界外貨準備額は毎月平均590億ドルのペースで減少し、この数カ月間では1000億ドルに迫る減少ペースと推計し、別の大手米銀では、8月、新興国は計2000億ドルの外貨準備を売却、その内1000億~1500億ドルは中国という推計も伝わってきます。

野村證券では7月、8月に中国は約1000億ドルの外貨準備を売って資金流出に備え、中国元3%の切り下げ後は中国元の買い支えを行っていると推察しています。

調査と資産運用を手掛けるクロスボーダー・キャピタルによると、過去1年間に新興国から流出したお金は約1兆ドル、そのうち中国が7500億ドル強を占めていると試算しています。

米国のGDP(国内総生産=約17兆ドル)の1%相当の外貨準備が減少すると、米10年国債利回りは15~35ベーシスポイント(=0.15%~0.35%)押し上げられるといわれています。

根源的な理由は「米景気堅調による金利引き上げ懸念」の所為(8/24の米株急落→米国債買い)ではなく、同じ金利上昇でも「新興国のお金の流出→自国通貨安競争→ドル買い自国通貨安の政策による米国債売り→米金利上昇懸念」による世界の過剰流動性縮小懸念(9/1前3日間の米株急落、米国債売り)にあり、それがグラフ①のグラフに描かれていると考えます。

現在のボラの高い相場の根本にはましては中国の所為ではなく、前述のドルキャリートレードの巻き戻しの単純明快なサイクル「世界の過剰流動性縮小」懸念にあると捉えて、現実の相場の犯人探しの議論にあまり無駄なエネルギーを使わないほうがよいと考えています。

9月の中国習近平主席の訪米や米FOMCその他世界の当局の政策動向探りグラフ①を見ながら、一方に振れる波乱相場の需給に振り回されず、現在、逆風に立たされている「日本株の優位性」を確認し、「不安の代償こそ儲け」と考えて相場を乗り越えていくしぶとさが必要な局面です。

安い日は買いです。


(注意:本稿は投資家のために投資判断を行うものではなく、一切の責任を負いません)
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