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株式市場の語りびと
株式市場で起きていることは、すべて原因があって結果がある。その原因を科学的に分析することを目的とする。
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16.1.31号 日銀総裁、本領発揮
「天邪鬼(あまのじゃく)な人(=黒田日銀総裁)なので予測するのは難しい」といっていた官邸に近い経済学者高橋洋一氏の言葉通り(昨年10/26「ニュースの深層」)、先週末1/29の日銀政策決定会合は大方の予想(ブルームバーグの22-27日のエコノミスト44人の日銀追加緩和についての事前予想調査で「緩和あり」の予想は14%の6人しかいなかった)に反してサプライズ発表になり、黒田日銀総裁本領発揮となりました。

それもその解釈を巡って後場で日経平均は乱高下して、上下871円もあり、高速エレベーターに乗っているようでした。

売買代金は4.4兆円にものぼり、昨年人民元切り下げ時の8/25の4.9兆円に次ぐ売買代金の多さです。

多分、売り方は日経平均の安い価格帯で、買い方は高い価格帯で売買され、乱高下に翻弄されたことでしょう。

1/29の1日の先物建玉は昨年12月の追加緩和もどきでだまし討ちにあった外資(弱気)がそのトラウマから5600枚売り乗せ、その分国内投資家(強気)が買い乗せしています。

先物建玉残高は国内投資家の買い残高と外資の売り残高がそれぞれ11万枚台でがっぷり四つに組み売り買いの攻防を繰り広げています。

国内投資家の先物買いの殆どは日経レバレッジ投信による個人投資家です。

1/29の米CME日経平均先物価格に基づけば、今週は冷静になって先週末の日経平均株価から約350円高から売買が始まる予定です。

今のところ、個人投資家の勝ちです。

日本の投資家と違って経験則的に政治スキャンダルを嫌う海外投資家は、甘利経済再生大臣のスキャンダルをアベノミクス(=日本株)のネガティブサプライズと決め付けていました。

少なからず、1/29の日銀政策決定会合前の彼等の「日本株売りポジション積み上げ」に影響を与えていたことが想定されます。

甘利大臣のスキャンダルを告発した相手が録音したり撮影したり、「はめられた」という感じがあり、「週刊文春は禁じ手を使ってしまった」と感じる人も多く、マスコミに暴力団的イメージ(脅迫まがい)の不快感を感じた方も多いでしょう。

NHKニュース9や朝日テレビ報道番組のキャスター更迭への安倍政権の圧力が噂されている折でもあり、この告発はそれに対するマスコミの意趣返しのような感じもします。

甘利大臣引責辞任の決断は想定外に早く、安倍総理も任命責任を早々に認めたことで、野党のこぶしを挙げた追及もこれまででしょう。

したがって、国会審議も伸ばさない、口利きで衆議院をやめた例はないので参考人招致もしない、アベノミクスの進行停止もなく、大したことにはならないという考えです。

多分、安倍総理、麻生副総理、菅官房長に大臣を辞めた甘利前大臣を加えた政策決定する際の非公式の四者会談は継続されると思います。

甘利前大臣は首相への忠誠度も図抜け、度胸もあり、国策に命をかけてまい進しており、能力、功績も申し分なく、放っておくには国家の損失です。

いずれ、復活でしょう。

今後の問題は日銀の1/29追加緩和の日銀当座預金残高の一部マイナス金利をどのように考えるかです。

黒田日銀総裁のかねてよりの「インフレ2%の早期実現の決意にいささかのも揺るぎもないことを改めて『行動』の形で示す必要がある」「必要とあらばいつでも行動する」という日銀のインフレ2%への姿勢を貫いた結果と考えます。

追加緩和の効果があるかないかよりも、日銀の強い決意を人々のマインドに伝えることが重要というわけです。

実際1/29、今回の決定で10年物国債金利は0.1%を割り、20年物国債金利は0.81%まで下がり、最低水準を更新しました。

これで今後日本の投資家が外債投資を一段と促進すること必至になります。

インフレ・マインド醸成のための円安トレンドが維持される仕組みです。

シカゴの円先物ネット残高&円ドル為替のグラフ①を見ると、1/26現在、円先物ネット買い残高+5万枚(グラフのまるで囲んだところ)と2012年1月以来4年ぶりの高水準の円先物ネット買い残高になっていることが分かります。

円買い残高

海外投機筋は如何に、かつ相当に力を入れて、円買い・日本株売りを仕掛けていたことが読み取れます。

彼等の間ではここ一ヶ月の下げの速さからも、一種の日本株売りブームだったのでしょう。

一方、日本株売り仕掛けのタネ玉のプログラム売買に伴う裁定取引残高の株数は、2012/3/23以来の14.1億株(1/27)の水準まで減少し、そこから金額ベースでは約1.5兆円近辺まで減少していると推計されます。

すなわち、従来の日本株売り仕掛けのタネ玉は、年初からの下げで使い果たし、仕掛けタネ玉がカラカラだと考えられます

今回のマイナス金利の緩和決定で、通貨スワップ市場ではドル円の1 年ものベーシススワップ(LIBOR三カ月もの)が急拡大しています。

これは日本の機関投資家のドル建て資産投資をする場合のヘッジコスト増を意味するので、ヘッジ比率の引き下げ=円売り・ドル買い戻しの結果といえます。

シカゴの円先物ネット買い残高の積み上がりもあり、ヘッジファンドもこの動きの円売り・ドル買いに追従するでしょう。

海外から批判の多いい黒田日銀総裁の狙いがそこにあるのではないかと考えられます。

恐らく、3月末に円レート125円、日経平均1万9200円(昨年3月末の株価)が安倍内閣官邸の希望する価格帯と思いますが、今回の質的・量的にプラスのマイナス金利の追加緩和でその確率は相当に上がったと考えます。

このようなときには、経験則上、更に援護射撃が出てくるものです。

ロイターの報道では、ロシアのノバク・エネルギー大臣発言として「2月にOPEC加盟国とロシアを含んだ非加盟国の閣僚級会合が開かれ、そこでサウジが協調減産(5%減産)を提案し、合意が実現すればOPEC臨時総会を開いて決定する」という観測記事を載せています。

IEA(国際エネルギー機関)では世界で日量100万バレルが過剰供給と試算しています。

もし2月に5%の減産幅が決まれば、OPEC加盟13カ国の生産の日量3218万バレルの5%減産161万バレル、ロシアの日量1079万バレルの5%減産54万バレル、合計215万バレルの供給減になります。

合意されれば、一発で需給は好転します。

この情報で直近、原油価格は急上昇しました。

「専門家は情報自体確認されていないし、まだ問題は残り不透明」と報道されていますが、合意確認がされなくとも、こうした流れに沿って株や為替と同様に、これまで積み上がった投機筋の原油先物売りの買い戻しといった需給面で原油バレル40ドルの水準に簡単に戻すのではないか、と相場的には考えられます。

日本株市場が中国の隣国にあるという希薄な理由で、売れない中国株叩きの替わりに日本株叩きをした咎めが、3月に向けて出てくるのではないでしょうか。

もしかしたら、コンピュータ売買のアルゴリズムで解析できない「天邪鬼な黒田日銀総裁」に世界の若いヘッジファンドの運用者は震え上がっているかもしれません。


(注意:本稿は投資家のために投資判断を行うものではなく、一切の責任を負いません)
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